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みゆき先生雑記帳みゆき先生雑記帳 -2007.11月 私の宝物 I氏からの手紙 -

都内の仕事を終え週末の山梨の仕事に戻った私は、冬支度のため明野の畑に飛び、冷たい風にあたりながら今年の宝物となったI氏からの手紙を読み返す時間を作る事が出来ました。



 全国で講演活動をされていた学者様からの手紙になります。まだ会を立ち上げたばかりのミルキーハウス畑で、総勢80名の中に加わり、食事会のお手伝いもして下さりお元気だった頃がつい昨日のように思い出されました。
 「安心、安全な土壌と野菜を作る為に明野に入り良いも悪いも色々な事をこの地で学んだ事。もう根を上げそうになって、楽なほうへと欲に溺れて人としての生きる道を失いそうになった時、種から播種してやっと独自ブランドとしての白い肌のニンニクの塊が光って見えた時、それは泥の中から浮き立つように咲く、お釈迦様の蓮の花のように見え、本当に大切な事を土と太陽から教わったような気が致しました。」・・略。若くして癌で治療をされていて電話ではもう応対出来ない事を知り、最期を海の見える所で迎えると訊いたので、ささやかなお見舞いとしてニンニクを贈らせて頂き手紙を添えた訳ですが。とても声も手も振るえているようには見えない達筆に、タイプで打っただけの健常者の私が恥ずかしい思いでした。
 「潮風の当たる病室の窓にはきっと太陽の陽の光が差し込んで明るい事でしょう。私の思想を構築するには余りにも課題が多すぎますが、こういう人生もありき・・で、生きて活きて行く事の人生の種まきと考え、もう暫く頑張りたいと思います。陽の光に当たって育った力強い野菜の栄養で滋養されて下さい。きっと私のニンニクも本当に必要とされている方の所へ届くのを願っていた事でしょうから・・」と書き加えました。


 人はいつかは死ぬ。死ぬことよりも生きていく事の方が辛い事もあるけれど、その辛さを乗り越えられるだけの人の優しさや温かさが嬉しいから「幸せ」と思います。本当は、平凡な中にこそ幸せがある事を・・非凡な事の方がリスクも大きいけれど・・頑張ろうね!何て私ことみゆき先生がニンニクちゃんに話しかけたかどうかは知らないけれど(笑い)それでもこの土で育ったニンニクや野菜たちが人の心を、生きる力をこんなにも動かしてくれるかと思うと、また新しい年を迎えて風に乗って頑張ろう!と元気を頂くのです。ここに記したのはその方の生きた証を私の心に刻んで置きたかったから・・。

 皆にお披露目したこのサンプル用の「ミルキーニンニク」はちょっと元気のない青白くなってしまった私の手の上にずっしりと重く光って見え「やっぱ土に帰そう!」と名残惜しみながらニンニク兄弟仲間と一緒の畑に眠らせました。




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